よくある転職活動への質問
このころ、販売店を対象にポンプ技術講習会が毎年九州の各県で実施されていました。
講習会の講師は、本社か工場の技術者が来ていました。
ところが、ポンプに対する私の取り組み方を見ていた課長は、技術講習会の講師を私に任命しました。
入社して4か月目のことですから、とんでもない会社だと驚いてしまいました。
私以上に本社や工場の方がびっくりしたようです。
「入社して4か月目には無理だ」といったところでしょうか。
まあ周囲が心配するのももっともで、最初の講習会では、壇上で話し始めたところ、緊張で声が震えているのが自分自身で分かるような始末でした。
しかし緊張していたのは私だけでなかったようで、資料めくりをしている同期のI君を見ると、横に座っているだけなのにぶるぶる震えています。
その様子を見て、すっかり開き直ることができました。
ポンプの理論は簡単に表現するとストローで水を吸うようなものですが、パイプの直径、長さ、水の速さ等の関係で、どのようなロスが出るかを考えなくてはいけません。
流体力学のベルヌーイの定理という難解な個所を説明しなければなりませんが、工場などの技術者より分かりやすく楽しく聞けたという評判も出て、それからは九州全域を技術講習会で巡回することになりました。
当時はまだ上水道が普及していない時期で、井戸ポンプが全国的に売れていました。
その後、取り扱いが増えるに伴い、福岡支店ポンプ課の社員も増え、各県の営業所にはポンプの専任担当が配置されるようになりました。
ポンプは着実に利益が出ていたので、社内では地味ではあるけれども花形商品といった位置付けになっていきました。
技術講習会で各県を回っているうちに、販売の講習もやって欲しいという声も上がってきました。
そこで、全国でも初めての企画として「Tポンプ販売・技術講習会」と銘打って実施し始めました。
販売講習を実施して、販売店に喜んでもらうだけでは意味がありません。
やるなら、Tポンプの市場占有率(シェア)を高めることにつなげなくてはいけません。
それには、既存の販売店の取扱量を増やすことと、新規の販売店を開拓することの二面からの展開が考えられます。
この二面の目的を一つの講習会に集約することができれば、効率的な拡販策となるはずです。
講習会の内容を詰めると同時に、ポンプの販売店を呼び込む戦略を考えていきました。
そこで、何をやったかというと、職業別電話帳(現在のタウンページ)を持ってきたのです。
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